詩集「群れない猫」近日発行!

群れない猫

土屋容子の暮らしと詞花

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冬の日差しは

「冬の日差しは」 気温はぐんぐんと下がり 昼間でも10度にとどかない 北風で乾燥して さらに寒く感じる 明日は、雪がちらつく予報 猫のように布団に丸まり 疲れた体を温める 天窓から冬の柔らかな日差しで かろうじて、灯りはいらない そんな冬の午後 ひとり…

抱きしめる

「抱きしめる」 抱きしめる、 君を 心で抱きしめる 自分は汚れている と、いう思考に囚われている 君 本当の君は、 誰よりも優しく 気くばりのできる人なのに もう、過去の後悔は お互い手放そうよ 責めるのは やめようよ きれいな、きれいな 君の心を 力い…

再生

「再生」 古傷が痛む この数ヵ月は かつての人生の中でも 激動の時期であった 私は 小さなシェルターの中で 生きてきた時間をさかのぼり ひとつひとつの心身の痛みを感じ 再生を繰り返した 人の細胞は 数ヵ月で生まれ変わる 母の胎内の中で作り上げられた 生…

東京タワー

「東京タワー」 飴細工みたいな 東京タワー 澄んだ空気 グレーがかった水色の空の半分 ここがいつもの癒しの場所だったら どんなによかっただろう *カテーテルの施術は 完ぺきに終わったのに まだ、4時間以上も とっくに冷めてしまった男の 介護に、縛りつ…

Y への手紙

「Yへの手紙」 こんにちは、お元気ですか もう、貴女への賀状も出さなくなり 数年がたちました 今年も貴女からは来ましたが 貴女のアドレスや電話番号は 機種変更の時に削除しました 私は、今これまでの生き方を 振り返り、怒りの感情と向き合ってます 怒り…

自分に戻る過程

「自分に戻る過程」 かつて、自分はリーダー的位置が似合う 積極的で打たれ強い人間である と、錯覚していた かなり長い間 刷り込みだったのだと気づいた ヤンチャしても許される兄を鏡に 自分は、親を困らせてはいけない 成績優秀を目指す 止められた事は諦…

イルカの瞳

「イルカの瞳」 イルカは、縦長の水槽にポツンと いた へその緒がついていた 大きく見えたが、 赤ちゃんだったのかもしれない ベビーカーを押しながら 家族とはぐれた私。 静かに泳ぎ 物憂げに見つめてくる イルカ ママだよ ママ、疲れちゃったよ.... ソコに…

新しく生きる

「新しく生きる」 入院時 紙のように白かった顔は 赤みをおびていた 彼の首もとには、酸素吸入の為の 新しいホールが突き出ている * 7月27日早朝、緊急入院した彼は 気胸と肺炎も併発。 鼻からの人工呼吸器では、タンがつまりやすく いつ、呼吸停止してもお…

悠久の人

「悠久の人」 初めての海外への機内 鼻筋のとおった浅黒い肌の青年に 目を奪われた 襟の立ったアイボリーの長い上着 斜め前のその人を ぼおっと眺めていた * 40年後。 三渓園の寺という神聖な処で いつまでも聴いていたくなる 声の詩人と出逢う 静かに、タ…

HAPPY BIRTHDAY

「HAPPY BIRTHDAY 」 “HAPPY BIRTHDAY “ 今年もカードが届いた 好みの素材、色、字体 何度見ても 笑みがこぼれる 昨年のカードは、 丸いコースターだった その時、 わたしは、出産以外 人生二回目の入院をしていた 個室だが、 もちろん鍵はかけられない 治す…

西から...

「西から...」 西からの気持ちのいい風が 吹いている なのに、ドアを薄く開けても 部屋に、風は流れない 西へ西へと、 生まれた地から流れてきた 人より少し、 引っ越しの回数は多いかもしれない 西から低気圧がきて 雨になる 6月7日、関東は梅雨入りした 梅…

針を運ぶ

「針を運ぶ」 ちくちくと無心に 針を運ぶ 頭の中のごちゃごちゃ 胸のざわざわ 少しだけ おさまったように感じる 人は 誰びとも 生老病死をまぬかれることは 無い。 ひとりで暮らし始める そう決めた時に、 なぜ、何故に..... 世にいう不幸が追い重なる 宿命…

向き合う

生きてゆく、 生きてきたことへの違和感。 それと向き合い、考え、思索し、 たくさん学んで、 行動を起こし、確かめ、 よりよい生きやすさを目指していく その対極に、 我は一番、悪いのは世間や他人と 向き合いを避け、逃げ続ける どれも同じ一生なら、 た…

ダメージ

脳の機能が弱まると 外界のあらゆるところの 普通のモノに嫌な刺激を感じる 太陽光、 これからの強い紫外線は最悪 色、 雑多の大型商業施設の色の反乱 音、 テレビから流れる情報が詰め込まれた、 押し付けの騒音 文字、 好きな作家のエッセイさえ読めない …

限界を過ぎたから涙があふれる

朝ドラの母親役のキレイな女優さんの 一言一言に、涙があふれる あぁ、あの時 あんな優しい言葉をかけてもらいたかった いつだって一生懸命走り続けてきた 良い結果が出るのは当たり前 しくじって休んでいると 家に居るのが苦しかった 私だって生身の人間で…

癒えない傷

猫と遊んだ後の小さな傷 消えるまでに三日はかかる 深くなると膿んでしまうこともある たとえ小さな傷でも、毎日毎日 繰り返しされたら 癒える事なく痛みは続く 可愛いはずの 猫が 目の前からいなくならない限り... 猫には悪意などない 悪意など微塵(みじん)…

セルフケア

家から、そう遠くもない 衣食住のそろっている空間で 一人になるそれは、私にとって とてもとても必要なことなのだと感じるずっと長い間、 私の精神は、日常的に傷つけられてきていた そのことに気づくことなしにきた他人からは理解されず なまじ真面目な性…

女子会第2ラウンド

女子会の流れでKの母上に会いに行く Kの結婚式以来約三十年ぶりの再会だ 齢(よわい)八十を超えた母上 アラ還(かん)の二人と母上の夕食は、 女子会第2ラウンドとなった あたしはね、木登りしておにぎりを食べていたのよ 千葉の田舎に疎開(そかい)していた…

生きている。

いろんな波風があった けれど今、生きている難病の息子、生きている 大うつだった私、生きている 不登校の娘、生きている誰が命を落としていても 不思議ではない状況だった きっと全て意味のあることだったあと何年かたち そう思える日が 来るに違いない人と…

旧友のように

ほんとうに、大切だと思える人と 関わってゆきたい 損得など考えず、その人のために すっと、手をさしのべたり 時には、長い手紙を書いたり 急に会いたくなって電車に乗り、 小さな花束だけ持って、 ドアをたたいたり... そんな、キセキのような友がいたら …

水辺にて

花の頃も過ぎた桜しべの 濃い紅の色も愛らしく 風にゆれる番(つがい)の鴨が毛繕いをすませ 並んで水に輪をなして 泳いでゆく平安の昔からなる 満々たる池疲れ萎えた心、 安らぎがひろがる 水の辺(ほとり) ★前橋ポエトリーフェステバル参加詩 テーマ「水」★関…

いとなむ

毎日、毎日、 繰り返される日常何でもないようなことが 積み重なり、 人の歴史を作る鳥や虫のように ただ、生きることの素晴らしさを 生命のちからを 感じて暮らしてゆきたい 2015.03

猫の詩、いくつか

「夏も冬も」 リアルな毛皮は なんてキモチいいんだろう中はあったかのはずなのに シーツの上で脚にふれる ヒヤッ としたなめらかさ気まぐれに アタシのそばに寄ってくる キミをムリヤリ ぎゅっとしたくなるねぇ キミ 冬になったら たっぷり 体温をお貸しく…

桜、散りゆく

部活、ボール拾い 足元にひゅーる春風とともに 桜の花びらが届く 心 ふわりなる夜、人影もない古い川沿い 桜並木 はらはらと落ちる 花びら いくつかの外灯が照らす 妖艶な桜 心 解き放つ昼下がり、 西の人造湖へと続く道 人を見下ろすほどの桜があふれる 満…

お兄ちゃんのクッション

お兄ちゃんに小さめのクッションをふたつ作った 初めて作った手作りのクッションはママが 今でも大事に使ってくれているこの前、お兄ちゃんと会ったら 身体と車イスのすきまをうめるのに ウレタンをそのままちぎったようなのを使っていたのだお兄ちゃんはあ…

夜の柱

ふと、 暮れたはずの西の空を見ると黒ずんだ灰色の 大きな柱があった夜の柱だ。柱の上にはだいだい色の帯があるこうして徐々に、 夜におおわれてゆくのだ通りには、 南からの風が吹いているすてたもんじゃない この町の夜も

できる。できない、

できる できないは 紙一重できない の今は できる の明日つながる一歩心の奥で 強く 強く、祈るできる 自分を思い描く

砦(とりで)

命の前の砦 いや、 永遠の生命を信じるなら それ、かもしれない私の砦(とりで)を侵さないでください 死にながら生きた状態で 辿り着いたものだったから、。 辿り着いた? 創(はじめ)からあったものなのでしょう私が発する言葉たちを私の砦を侵さないでく…

送る

「送る」 午後4時を少し過ぎ 定刻で 宅配の食材が届く都市ガスは止まっているが 電気は点いている普段あまり使わなくなった ホットプレートで 晩のメニューだった 焼きそばを 2回に分けて 5人分作る食卓には 月1の通院から帰った 筋ジストロフィーの息子…

ツーババ

ババがふたり ババは、ふたりでも相当うるさい 今どきのババは、パワフルだあら、あーたのジャケット素敵じゃない どちらで作ったの? ×× でも、も少し長い方がおしゃれねね、知ってる、Cさん ほら、すごいゴミ屋敷だって噂の。 猫、5匹も飼っているんですっ…

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