詩集「群れない猫」近日発行!

群れない猫

土屋容子の暮らしと詞花

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プレゼント

「プレゼント」 毎年、誕生日に 息子からの電話で 「おめでとう」 と、言い、近況を報告し合う 息子は、私のカウンセラーであり 友人であり、先生 その息子も、 2年前の夏、病により気管切開し 声を無くし、ひらがなボードと 目一杯の表情での、 声のない会…

左手首

「左手首」 左の手首だけ 冷たく感じる さらに 左の足首も 触ってみると 右も冷たいのに 左側には心臓がある その上の筋肉が 時々、 わしづかみされたように痛む あの時からだ ずっと違和感を感じてきた 因がわかった日からだ 動け! わたしのカラダ わたし自…

不健康な休日

「不健康な休日」 頭の痛いのをとおりこして キモチがすっきりするまで眠る ただ ただ眠る 眠りが あたしを癒してくれる現実の世界のふがいなさをゼロに戻してくれる 昼近くまで寝て家を出る 遅いランチでビールを2杯 夕食のつまみとお酒をコンビニで仕入れ…

ニャンデ・ライオン

「ニャンデ・ライオン」 愛猫そらが臭腺破裂の外傷を負った 真っ赤に染まったお尻に気付きあわてて 動物病院に駆け込む ”この傷はねぇ、外を走り回っていた猫ちゃんたちにはない病だったんだよ” 先生は説明した いわゆる猫のテリトリーの習性をつかさどる機…

アンパンマンさま

「アンパンマンさま」 アンパンマンさま お元気ですか毎日 森のパトロールお疲れさまです 私は あなたにもらった あんこのホッペで回復しました いくらヒーローでも 夜中まで寝ないとまた 痩せてしまいますよ 明日はどこの夕焼けの下を飛んでいるのでしょう …

空の湖

「空の湖」 世の中の不穏を 昨夜の風雨が 洗い流したような 空 見上げると そこに 雲がキレイに楕円に切れて 青空がのぞいている それは 空の湖のようだった いくつも いくつも よーく見ると 空の湖の端から はしごがするすると 降りてくるのではないか 天使…

晴れわたる空の下(もと)

「晴れわたる空の下」 晴れ渡る空 鳥のさえずり 猫の鳴き声 静かな春の一日 休日なのに 静かすぎる * 手をひんぱんに洗い 手作りマスクを付け うがいし 人との距離を取っている 家族でも同等 昨日、買い出しに行った 病院で薬を処方してもらった 罹患してい…

黒猫

「黒猫」 酷暑の夏に兄猫は逝った タキシードの兄と 妹の黒 たとえ双子の兄妹でも その性(さが)ゆえに狭いマンションで 縄張り争いを繰り返した16年 いや、仲良く喧嘩していた 彼女も、いいおばぁちゃんだ 兄猫がいなくなった後 かわいい声で鳴かなくなった …

透明になってゆく

「透明になってゆく」 染めるのをやめた髪は 白から透明になってゆく 化粧をやめた肌も 透明になってゆく そして いつかあの人が言ったように 心も透明になった 何もない 人の言葉がただ 通りすぎてゆく 私は ふわふわとたゆとい 宇宙に溶け込んでゆく そし…

浄化

「浄化」 あたたかい涙は 固くなった心を すうっと 洗い清めてくれる洗いたかったけど 無理には出せない 出来てきてくれない一冊の本の世界の中で あとから、あとから 涙が流れた ぬぐっても、あふれてくる本を読んで泣いたのは どのくらい前だろう… 2015.6.6

生きていますよ

「生きていますよ」 ここへ来てから、よく眠れる 今までの いつも宙に浮いているような 気持ちの悪さはなくなり 自分が、生きている 一個の人間である、現実感が戻ってきた ナゼ? やはり、 無意識で操られていたのだろうか? このように、自問しない誰かに。…

冬の日差しは

「冬の日差しは」 気温はぐんぐんと下がり 昼間でも10度にとどかない 北風で乾燥して さらに寒く感じる 明日は、雪がちらつく予報 猫のように布団に丸まり 疲れた体を温める 天窓から冬の柔らかな日差しで かろうじて、灯りはいらない そんな冬の午後 ひとり…

抱きしめる

「抱きしめる」 抱きしめる、 君を 心で抱きしめる 自分は汚れている と、いう思考に囚われている 君 本当の君は、 誰よりも優しく 気くばりのできる人なのに もう、過去の後悔は お互い手放そうよ 責めるのは やめようよ きれいな、きれいな 君の心を 力い…

再生

「再生」 古傷が痛む この数ヵ月は かつての人生の中でも 激動の時期であった 私は 小さなシェルターの中で 生きてきた時間をさかのぼり ひとつひとつの心身の痛みを感じ 再生を繰り返した 人の細胞は 数ヵ月で生まれ変わる 母の胎内の中で作り上げられた 生…

Y への手紙

「Yへの手紙」 こんにちは、お元気ですか もう、貴女への賀状も出さなくなり 数年がたちました 今年も貴女からは来ましたが 貴女のアドレスや電話番号は 機種変更の時に削除しました 私は、今これまでの生き方を 振り返り、怒りの感情と向き合ってます 怒り…

自分に戻る過程

「自分に戻る過程」 かつて、自分はリーダー的位置が似合う 積極的で打たれ強い人間である と、錯覚していた かなり長い間 刷り込みだったのだと気づいた ヤンチャしても許される兄を鏡に 自分は、親を困らせてはいけない 成績優秀を目指す 止められた事は諦…

イルカの瞳

「イルカの瞳」 イルカは、縦長の水槽にポツンと いた へその緒がついていた 大きく見えたが、 赤ちゃんだったのかもしれない ベビーカーを押しながら 家族とはぐれた私。 静かに泳ぎ 物憂げに見つめてくる イルカ ママだよ ママ、疲れちゃったよ.... ソコに…

新しく生きる

「新しく生きる」 入院時 紙のように白かった顔は 赤みをおびていた 彼の首もとには、酸素吸入の為の 新しいホールが突き出ている * 7月27日早朝、緊急入院した彼は 気胸と肺炎も併発。 鼻からの人工呼吸器では、タンがつまりやすく いつ、呼吸停止してもお…

悠久の人

「悠久の人」 初めての海外への機内 鼻筋のとおった浅黒い肌の青年に 目を奪われた 襟の立ったアイボリーの長い上着 斜め前のその人を ぼおっと眺めていた * 40年後。 三渓園の寺という神聖な処で いつまでも聴いていたくなる 声の詩人と出逢う 静かに、タ…

HAPPY BIRTHDAY

「HAPPY BIRTHDAY 」 “HAPPY BIRTHDAY “ 今年もカードが届いた 好みの素材、色、字体 何度見ても 笑みがこぼれる 昨年のカードは、 丸いコースターだった その時、 わたしは、出産以外 人生二回目の入院をしていた 個室だが、 もちろん鍵はかけられない 治す…

西から...

「西から...」 西からの気持ちのいい風が 吹いている なのに、ドアを薄く開けても 部屋に、風は流れない 西へ西へと、 生まれた地から流れてきた 人より少し、 引っ越しの回数は多いかもしれない 西から低気圧がきて 雨になる 6月7日、関東は梅雨入りした 梅…

針を運ぶ

「針を運ぶ」 ちくちくと無心に 針を運ぶ 頭の中のごちゃごちゃ 胸のざわざわ 少しだけ おさまったように感じる 人は 誰びとも 生老病死をまぬかれることは 無い。 ひとりで暮らし始める そう決めた時に、 なぜ、何故に..... 世にいう不幸が追い重なる 宿命…

向き合う

生きてゆく、 生きてきたことへの違和感。 それと向き合い、考え、思索し、 たくさん学んで、 行動を起こし、確かめ、 よりよい生きやすさを目指していく その対極に、 我は一番、悪いのは世間や他人と 向き合いを避け、逃げ続ける どれも同じ一生なら、 た…

ダメージ

脳の機能が弱まると 外界のあらゆるところの 普通のモノに嫌な刺激を感じる 太陽光、 これからの強い紫外線は最悪 色、 雑多の大型商業施設の色の反乱 音、 テレビから流れる情報が詰め込まれた、 押し付けの騒音 文字、 好きな作家のエッセイさえ読めない …

限界を過ぎたから涙があふれる

朝ドラの母親役のキレイな女優さんの 一言一言に、涙があふれる あぁ、あの時 あんな優しい言葉をかけてもらいたかった いつだって一生懸命走り続けてきた 良い結果が出るのは当たり前 しくじって休んでいると 家に居るのが苦しかった 私だって生身の人間で…

癒えない傷

猫と遊んだ後の小さな傷 消えるまでに三日はかかる 深くなると膿んでしまうこともある たとえ小さな傷でも、毎日毎日 繰り返しされたら 癒える事なく痛みは続く 可愛いはずの 猫が 目の前からいなくならない限り... 猫には悪意などない 悪意など微塵(みじん)…

セルフケア

家から、そう遠くもない 衣食住のそろっている空間で 一人になるそれは、私にとって とてもとても必要なことなのだと感じるずっと長い間、 私の精神は、日常的に傷つけられてきていた そのことに気づくことなしにきた他人からは理解されず なまじ真面目な性…

女子会第2ラウンド

女子会の流れでKの母上に会いに行く Kの結婚式以来約三十年ぶりの再会だ 齢(よわい)八十を超えた母上 アラ還(かん)の二人と母上の夕食は、 女子会第2ラウンドとなった あたしはね、木登りしておにぎりを食べていたのよ 千葉の田舎に疎開(そかい)していた…

生きている。

いろんな波風があった けれど今、生きている難病の息子、生きている 大うつだった私、生きている 不登校の娘、生きている誰が命を落としていても 不思議ではない状況だった きっと全て意味のあることだったあと何年かたち そう思える日が 来るに違いない人と…

旧友のように

ほんとうに、大切だと思える人と 関わってゆきたい 損得など考えず、その人のために すっと、手をさしのべたり 時には、長い手紙を書いたり 急に会いたくなって電車に乗り、 小さな花束だけ持って、 ドアをたたいたり... そんな、キセキのような友がいたら …

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