お兄ちゃんに小さめのクッションをふたつ作った
初めて作った手作りのクッションはママが
今でも大事に使ってくれている
この前、お兄ちゃんと会ったら
身体と車イスのすきまをうめるのに
ウレタンをそのままちぎったようなのを使っていたのだ
お兄ちゃんはあたしが受験をする前の年の秋
家を出て、ヘルパーさんを雇ってひとりで住んでいる
あたしよりひとまわり上で、あたしが生まれた年に
車イス生活になった
あたしは、お兄ちゃんの車イスでつかまり立ちをした
お兄ちゃんのひざの上はあたしの定位置だった
そんなわけで、あたしとお兄ちゃんのキズナは深い
ささっと、木綿の余り布で縫ってみたら
使うと滑りやすいとクレームがついた
ボツボツとしていたほうがいいのかと
タオルでカバーをかけてみた
どうかな?
宅配便で送り直した
どうやらフィットしたらしい。
お兄ちゃんの声はいつも優しくて眠くなってしまう
障がいがあっても、いつも前向きなお兄ちゃん
あたしの自慢なのだ
いや、パパもママも、お姉ちゃんも
きっと自慢にしている