詩集「群れない猫」近日発行!

群れない猫

土屋容子の暮らしと詞花

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安倍公房と読書会

4/28(Fri)、町田市民文学館(ことばらんど)の流動的読書会に参加した。
こちらの読書会は、「ピッピのくつした」というグループが主催している。4月の西荻窪の朗読会でこちらの代表をしている、武田さんのことを知り、とても興味を覚えてしまい検索したら、同じHatena Blog ということにも縁を感じて、思いきって参加することにした。(本音は、武田さんが「ユリイカの新人」であり、小説も書き、文芸誌の最優秀賞を取っている多才な方なので、ミーハー的興味が強かったのだが…(苦笑)

図書は、安倍公房「魔法のチョーク」。てぶらでOK.テキスト配付であったのだが、一応、図書館で世界SF全集「安倍公房」を借り読了。安倍公房は、10代後半~20代の初めにかなりはまった記憶がある。高校の現代国語に「赤い繭」が載っていて、その世界観に魅せられた。
それで、「魔法のチョーク」。第二次世界大戦後の荒廃とした時代背景のもとに書かれた作品である。
アルゴン君という、三文絵描きが、魔法のチョークを手に入れることにより、抜き差しならない状況に落ちていくSF小説だ。
参加者は、10代~30代~50代の男女。私が最年長参加者。アルゴン君の飢餓状態が描かれていたが、参加者の中には、生きてきた経緯で「空腹」で生活できない、といった経験を持った者はいなかった。
30代の前半の青年の発言が、アルゴン君と魔法のチョークとの関係を、ドラえもんのび太くんの関係のようだ、と言っていたことが印象に残った。のび太は現実を嘆きドラえもんに泣きつき、未来の道具を色々出してもらい難を逃れたように一旦は思うが、結果、状態はさらに悪化してしまう的な展開だ。

あまり、まとめられないが。21世紀の現代は、身体的飢餓状態ではないが、私も含めて多くの人が精神的飢餓状態におちいりやすい時代なのだと思った。

久しぶりに読書会に参加してみて、純粋にとても楽しかった。同じ本を読み、他の人たちとその世界を共有し、意見を出し合う。読み解きは多様であり、異なった考えを聞くのは心地よかった。

★帰りがけに、「ピッピのくつした」20号を頂いた。なんと、2016年9月の流動的読書会での様子が掲載されていたのを見て驚いた。「不可思議/wonderboy」が紹介されていたのだ!
wonder君とは、朗読のライブでご一緒したこともあり、偶然にも同じ地域に住んでいたことを亡くなった後知った。とてもシャイで素敵な青年で、息子とほぼ同年代だった。久しぶりに、wonder君のCDを聴いてみた。言葉が突き刺さる。すごい才能だと思う。私は、「おまえはそれでいい。ありのままでがんばれ」と励まされた気がした。


本家、「ピッピのくつした」武田代表のブログ記事です。↓
machienpro13.hatenablog.com

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