詩集「群れない猫」近日発行!

群れない猫

土屋容子の暮らしと詞花

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東京タワー

「東京タワー」

 

 

飴細工みたいな 東京タワー

澄んだ空気 

グレーがかった水色の空の半分

 

ここがいつもの癒しの場所だったら

どんなによかっただろう

 


カテーテルの施術は

完ぺきに終わったのに

まだ、4時間以上も

とっくに冷めてしまった男の

介護に、縛りつけられている

 

私の入院時に

一度も見舞わず

旅行に行ってしまった男

 

私は、義務感だけで

付き添ったのではない

自分が後で、苦しまないため

 

そんな事などお構い無し。

 

術後の介護を無表情で受ける

ストローで水を飲ませ

おにぎりを小さくして

食べさせた

 終了。

 

ごちそうさま、

ありがとうもなし、

 

「そこの、イアホン右耳に入れて」

と、せわしなくのたまう男

 

心と同じく

冷えた真冬日の都会に、

私も、無言で出ていった

 

あの男、

美しいタワーさえも

記憶の中に残らない

 

まして、

そこに私がいた事なんて

覚えてない、

に、違いない

 

2019.真冬

 


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