2020年の日本アカデミー賞の助演女優賞に、高畑充希さんがノミネートされました。
本作では、ボランテァ(ボラ)役でした。
*
2018年末公開の、「こんな夜更けにバナナかよ」大泉洋主演をみた。大泉さんは、大好きな俳優のひとりだが、ひょうきんで元気なイメージが強くて、筋ジストロフィーの実在した男性を演じることに懸念があった。
なにより、息子が同じ病で、同じ様に介護を受けながらの自立生活をしており、自分が鑑賞に耐えられるか不安だった。
息子は、ここ数年、入退院を繰り返し、手術もしてる。メンタルの弱い私は、その度に打ちのめされている。慣れる、ということがない。でも、受け入れたい。息子の現実を。
そう思う気持ちが勝ち、観に行った。
大泉洋さん演ずる、狩野さんは、実際に北海道に住んで、自分でボランティアを募り、病院を出て自立生活を送っていた、筋ジストロフィーの男性だった。
映画の冒頭が、入浴介護の場面で、妙なリアリティーを感じた。狩野は、愉快で喜怒哀楽のはっきりした、とてもワガママな患者だ。頭にくると、動く指先でホーローのマグカップをテーブルから、落とす。
その描写は、とても現実感があった。
障がい者であっても、聖人ではない怒りもすれば、泣きもする。障害者=弱い=いい人ではない。そして、介護する側も同じ。人間対人間である。
狩野氏は、気管切開をし、話せなくなったが、ある方法により声を出せるようになる。
すごい、生きようという力。おしゃべりな狩野氏らしいと思った。
既に、DVD が出ている。
ひとりでも多くの人に、観てもらいたい。
お涙ちょうだいの、作品ではないので。