詩集「群れない猫」近日発行!

群れない猫

土屋容子の暮らしと詞花

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悠久の人

「悠久の人」

 

初めての海外への機内

鼻筋のとおった浅黒い肌の青年に

目を奪われた

襟の立ったアイボリーの長い上着

斜め前のその人を

ぼおっと眺めていた

40年後。

三渓園の寺という神聖な処で

いつまでも聴いていたくなる

声の詩人と出逢う

 

静かに、タゴールを語る彼は

母国では著名な人物。

なのに、

ただ、そこにいて自然

権威とは無縁な謙虚さ

 

一流のひと

いや、それさえも超えている

 

 

タゴールの愛した日本

彼の国から渡った

たくさんの文化、英知

 

 

悠久の国に学べ

そして、自国のそれをも、

 

宙(そら)に繋がったような

空間で深く呼吸し

体ごと開放された

 

 

*全人アーティスト

ニランジャン・バネルジー氏に捧ぐ

 

2019.6.21

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